経済環境が厳しい今日,中小企業では,大企業などからの下請け型から,企画提案型への変革が必要と言われています。下請け型からの脱却には,自分の仕事は自分で創り出すという取り組みが必要となります。製造業においては,新しい製品や技術を開発し,競合他社との差別化を行い,また,自社の独自の製品や技術を売り物にしていくということが求められています。
そこで,中小企業が自社の経営資源を活かして,独自製品や技術を開発し,事業として進めていくためのコツについてのMOTセミナーを,島根県,松江市,公益財団法人しまね産業振興財団,ひがしいずも産業支援センター,東出雲町商工会および当センターの主催で開催しました。
当センターと公益財団法人しまね産業振興財団が主催するMOTセミナーは,6年前から「しまね地域MOTセミナー」として開催してきましたが,今回は,機械加工や自社ブランド製品の開発に取り組まれている企業が多い,松江市(東出雲町)のご協力を得て,東出雲町商工会館で開催する運びとなりました。
このセミナーでは,中小企業が,自社の経営資源,特に知的資産を活かして,独自製品や技術を開発し,事業として進めていくための心構えや手法について講義するとともに,身近な例で理解を深めてもらおうと,地元の企業での取り組み事例を紹介していただきました。
先ず「中小企業で売れる新商品開発を進めるためのコツ」と題し,株式会社テクノ・インテグレーション
代表取締役(島根大学産学連携センター
客員教授)の出川
通 氏に講演していただきました。
引き続き,地元の2社(株式会社大勢シェル 代表取締役 小澤俊孝 氏,丸高工業株式会社 代表取締役 高倉完治 氏,製造部 主任 神田雄介
氏)から,新しい「ものづくり」に取り組んでいる事例について紹介していただき,その後,パネル討論形式で会場との質疑応答を行い,マーケティングの実際,開発を行う上でのポイント,企業同士や大学との連携の苦労など,生の声を伺うことができました。
松江市をはじめ,岡山県や山口県などから約50名の参加があり,盛況でした。