経済環境が厳しい今日,中小企業では,大企業などからの下請け型から,企画提案型への変革が必要と言われています。しかし下請け型からの脱却には,自分の仕事は自分で創り出すという経営者と技術者の取り組みが必要となります。製造業において,新しい製品や技術を開発し,競合他社との差別化を行い,また,自社の独自の製品や技術を売り物にしていくためには,どのような心構えや手法,意識改革と覚悟が必要なのでしょうか?
そこで,中小企業が自社の経営資源を活かして,独自製品や技術を開発し,事業として進めていくためのコツについてのMOTセミナーを,島根県,出雲市,公益財団法人しまね産業振興財団,松江高専,当センターの主催および出雲商工会議所の後援で開催しました。
MOTセミナーは,島根県内の関連機関と連携して9年前から「しまね地域MOTセミナー」として開催してきましたが,今回は,始めて出雲市での開催となりました。
このセミナーでは,中小企業が,自社の経営資源,特に技術を活かして,独自の製品や技術を開発し,事業として進めていくための心構えや手法について講義するとともに,身近な例で理解を深めてもらおうと,地元の企業での取り組み事例を紹介していただきました。
先ず「『経営者・技術者が開発した新製品がなぜ売れないのか』〜ビジネス全体を俯瞰し「顧客価値」を「必要技術」に「翻訳する」〜」と題し,株式会社テクノ・インテグレーション 代表取締役(島根大学産学連携センター 客員教授)の出川 通 氏に講演していただきました。
引き続き,地元の2社(大福工業株式会社環境部
部長 小村一行 氏,島崎電機株式会社 代表取締役 濱村圭一 氏)から,それぞれの企業で取り組んでいる事例について紹介していただき,その後,パネル討論形式で会場との質疑応答を行い,マーケティングの実際,開発を行う上でのポイント,企業同士や大学との連携の苦労など,生の声を伺うことができました。
出雲市や松江市など島根県東部の企業の方々を中心に約40名の参加があり,盛況でした。
また,平成27年1月29,30日に,このセミナーの中級編を当センターで実施する予定にしています。
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