中小企業では,大企業などからの下請け型から,企画提案型,あるいは,研究開発型への変革が迫られています。そのためには,自分の仕事は自分で創り出す,また,世の中にない新しい製品やサービスを作り出していくという取り組みが必要となります。製造業において,新しい製品や技術を開発し,競合他社との差別化を行い,また,自社の独自の製品や技術を売り物にしていくためには,どのような心構えや手法,意識改革と覚悟が必要なのでしょうか?
そこで,中小企業が自社の経営資源を活かして,独自製品や技術を開発し,事業として進めていくためのコツについてのMOTセミナーを,島根県,松江市,公益財団法人しまね産業振興財団,松江商工会,松江高専および当センターの主催で開催しました。
MOTセミナーは,島根県内の関連機関と連携して8年前から「しまね地域MOTセミナー」として開催してきましたが,今回は,「松江市ものづくりアクションプラン」を策定しものづくりを積極的に支援している松江市で開催する運びとなりました。
このセミナーでは,中小企業が,自社の経営資源,特に技術を活かして,独自の製品や技術を開発し,事業として進めていくための心構えや手法について講義するとともに,身近な例で理解を深めてもらおうと,地元の企業での取り組み事例を紹介していただきました。
先ず「『社運をかけて開発した新製品・技術がなぜ売れないのか』〜「顧客のニーズ」を「技術仕様」に「翻訳する」にはどうすればいいのか? 〜」と題し,株式会社テクノ・インテグレーション 出川 通 代表取締役(島根大学産学連携センター 客員教授)に講演していただきました。
引き続き,地元の2社(松江土建株式会社環境部 鍛治正紀 部長,マシン・テクノロジー株式会社 加瀬部 強 代表取締役)から,それぞれの企業で取り組んでいる事例について紹介していただき,その後,パネル討論形式で会場との質疑応答を行い,マーケティングの実際,開発を行う上でのポイント,企業同士や大学との連携の苦労など,生の声を伺うことができました。
松江市をはじめ,島根県東部の企業の方々を中心に約60名の参加があり,盛況でした。
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