山陰発技術シーズ発表会in島根2011
   San-in Technology Seeds Presentation Meetings in Shimane

島根大学産学連携センター  

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プログラム

時間

 

内 容

13:30〜13:40 開会挨拶
   

島根大学
  理事(学術・国際担当)副学長
   柴田 均

 

・独立行政法人科学技術振興機構
  産学連携展開部 部長
   菊池文彦

13:40〜14:00

環境・エネルギー

「WEPシステムによる中海浚渫窪地(無酸素水塊)の水質・底質改善」

島根大学 総合理工学部 物質科学科 教授 清家 泰

   

発表概要

 汽水湖中海には,富栄養化の原因である栄養塩(N, P)や有毒な硫化水素の発生源となる浚渫窪地が多数存在している。
 本研究では,その浚渫窪地の水質及び底質改善を図るため,地元の企業(松江土建(株))の開発した「WEPシステム」を用いるアプローチを3年間にわたり試み顕著な成果を得た。
 本研究の特色は,不足している酸素を補給するという自然への手助けのみで,あとは本来自然が有する自浄作用に任せて,浚渫窪地の底層の水質改善と湖底堆積物の質的改善を図ろうとする点にある。

こちらの研究シーズもご覧ください

14:00〜14:20

環境・エネルギー

「竹繊維を活用した土壌中への効果的溶液輸送と有機物貯留による土壌環境修復」

島根大学 生物資源科学部 地域開発科学科 准教授 森 也寸志

   

発表概要

 土壌は陸域最大の炭素貯留源であるが,農林地では管理の粗放化と劣化が進み,水貯留や植物の培地,環境負荷の緩衝など本来の機能が果たせていない。ここでは,移流・分散制御による土壌中への効果的溶質浸透を劣化の進む土壌に施し,土壌表層にわずかに薄く存在する有機物を下方浸透かつ土壌体全体に分散させ,土壌の有機質化と炭素貯留,また植栽としての土壌環境の修復を図る。浸透制御には地域未利用資源である竹繊維を活用し,構造・ 機能の長期維持と毛管力による自発的な下方浸透を促す。

こちらの研究シーズもご覧ください

14:20〜14:40

環境・エネルギー

「高い充放電容量を指向した二次電池材料の合成」

米子工業高等専門学校 物質工学科 助教 谷藤尚貴

   

発表概要

 リチウム二次電池の改良において,内部の材料成分に新規化合物を導入することで見出された充放電容量の改善に関する成果について紹介した。
 近年のエネルギー供給システムにおいて,地球環境やエネルギー問題の視点から効率よくエネルギーを保存し,ユビキタスにエネルギー供給できる新しい電池システムの開発は急がれている。その中でも,リチウム二次電池は重要なデバイスの1つとして知られている。
 本シーズ発表では,リチウム二次電池中の陽極活物質として導入するジスルフィド化合物の新規合成・充放電特性評価・従来材料からの改善点等について解説した。

14:40〜14:55   休憩
14:55〜15:15 JST事業の紹介
    独立行政法人科学技術振興機構JSTイノベーションプラザ広島 科学技術コーディネーター 上村達男
15:15〜15:35

計測・システム

「ロバスト制御を利用した低価格な視覚フィードバック系の実現」

松江工業高等専門学校 電子制御工学科 助教 加藤健一

   

発表概要

 視覚フィードバック系は,カメラ等の視覚的な計測情報を利用した制御系のことであり,非接触かつ複数の物理量を同時に計測して制御できるといった特徴をもつ。しかし,不安定な制御対象を計測・制御する際には,通常高フレームレートのカメラと高い動画像処理能力を有する専用機器が要求され,一般に高コストになることが知られている。
 本発表では,これに対してある種のロバスト制御を応用した事例を紹介する。具体的には,汎用のカメラおよび計算機からなる大道芸ロボットの開発等について述べた。

15:35〜15:55

計測・システム

「小型干渉顕微鏡による形状計測の高速・高精度化に関する研究開発について」

鳥取県産業技術センター 電子・有機素材研究所 所長 西本弘之

   

発表概要

 産業界を始め広い分野で,高速・高精度かつ軽量小型の三次元形状計測装置が求められている。機械加工面などの形状計測は,従来では接触式形状計測法が利用されているが,計測時間が長いため,生産現場での実用性は乏しい。そこで,精密加工,特にマイクロ/ナノ加工分野においての利用を想定した装置の開発を行った。干渉顕微鏡の画像情報を基に,最新の画像計測技術を援用した非接触式三次元形状計測システムについて説明した。

15:55〜16:15

農業・バイオ

「遺伝子組換えトラップ植物を用いたネコブセンチュウ防除法の開発」

鳥取大学 農学部 生物資源環境学科 教授 河野 強

   

発表概要

 極めて重篤な農業被害をもたらすネコブセンチュウの新たな防除法の開発について紹介した。

 本研究では近年注目を浴びているRNA干渉法を用いた。胚発生期の前後軸を制御するpos-1遺伝子に対してRNA干渉による機能抑制を行い,種特異的にネコブセンチュウの増殖を抑制(胚性致死)することに成功した。現在,RNA干渉能を付与した遺伝子組換え植物(タバコ・トマト)を作出中であり,植物体内でのRNA干渉効果を検証する予定である。

16:15〜16:35

農業・バイオ

「島根県産天然ゼオライトを用いた遺伝子工学用試薬の開発」

島根県産業技術センター 生物応用グループ 任研究員 永田善明

   

発表概要

島根県産天然ゼオライトの特性を応用し,以下の2つの遺伝子工学実験法を開発した。

@核酸染色用色素の安全処理法
 臭化エチジウムは変異原性が指摘されている核酸染色用色素であるが,この廃液をゼオライトを用いて吸着処理することにより,臭化エチジウムを十分に除去できることを確認した。

A簡便迅速なプラスミドDNA抽出法
 ゼオライトの陽イオン交換作用を応用し,2ステップ,5分以内に大腸菌からプラスミドDNAを抽出する方法を開発した。本法で抽出したプラスミドDNAは,制限酵素処理,PCRに適用可能である。

16:3516:50   休憩
16:50〜17:10

食品

「ω-5グリアジン欠失小麦系統を用いた低アレルゲン化小麦製品の開発」

島根大学 医学部 医学科 皮膚科学 助教 高橋 仁

   

発表概要

 食物アレルギーは近年増加傾向にあり,特に学童期以降でその特殊型である食物依存性運動誘発アナフィラキシーが増えている。本病型の原因食品は小麦が最も高頻度で,患者の60%が小麦製品で発症する。低アレルゲン化小麦製品の開発を目的として,ω-5グリアジン欠失小麦系統の栽培,及び,加工条件を検討するとともに,本小麦を利用したパンを作製し,小麦アレルギー患者に対する臨床面での安全性を検討しているので紹介した。

17:10〜17:15   閉会挨拶
17:30〜19:00   懇親会