神奈川県議会政策研究会が島根大学と出雲土建が共同で研究・開発した「炭八」の活用状況を視察

島根大学産学連携センター地域産業共同研究部門


 
 

 平成24年8月1日(水)と2日(木)に,神奈川県議会政策研究会のメンバーと関係者の約20人が,島根県で取り組んでいる木炭の活用状況の視察を目的に来県され,本学と出雲土建株式会社が長年にわたって共同で研究・開発を続けてきた調湿用木炭「炭八」の関係機関や施設を訪問されました。

 1日には,島根県庁や島根大学産学連携センター,そして「炭八」工場を訪問されました。

 当センターでは,出雲土建株式会社の石飛裕司社長の挨拶の後,北村寿宏教授が,本学における産学連携と,木炭や「炭八」について共同研究が始まったきっかけと経緯を産学連携の観点から紹介しました。

 

 続いて,総合理工学研究科の中井毅尚准教授が,最近の共同研究の成果である「炭八」の省エネ効果について,出雲市のマンションを用いて実験を行った結果から,「炭八」を床下や天井に敷設した部屋では,エアコンの消費電力が夏場の冷房時には約24%削減され,冬場の暖房時には約11%削減できたこと,冬場にはエアコン停止後の温度低下が少なく手足の冷えの防止につながることなど,「炭八」の持つ調湿と断熱の効果が影響していることを紹介しました。(記者発表について

 最後にもうけた質疑応答では,木炭の調湿効果,「炭八」の生産量や使われている建築廃木材の品質,産学連携の進め方など,より踏み込んだ質問が寄せられました。

 2日には,実際に「炭八」が敷設されている,出雲市役所のくにびき大ホール,「炭の家」マンション,島根大学医学部附属病院,あすなろ第2保育園を,さらには「炭八」を使用した樹木の樹勢回復工事が行われている出雲大社や県立浜山公園を見学されました。