JST推薦シーズ新技術説明会
  New Technology Presentation Meetings!

島根大学産学連携センター


JST推薦シーズ新技術説明会で生物資源科学部の秋廣高志助教が発表しました

第1回グリーンイノベーション分野
(生物生産,次世代エネルギー)

 独立行政法人科学技術振興機構(JST)では,A-STEP(研究成果最適展開支援プログラム)フィージビリティスタディ探索タイプ等から生まれた技術シーズの実用化を促進し,新しいイノベーションにつなげるべく,「JST推薦シーズ新技術説明会」を開催しています。

秋廣高志 助教

 平成23年度のアグリバイオ分野の採択課題のうち,事後評価が高かった課題として,生物資源科学部の秋廣高志助教を研究責任者とする「放射性セシウムを吸収しない安全な野菜や作物の開発を目指したセシウム輸送体の単離」が選出され,平成25年2月18日に発表しました。

 秋廣助教の研究発表に続いて,担当コーディネータである産学連携センターの丹生晃隆准教授が「想定される技術移転」について説明しました。

 今回の新技術説明会では,発表後の個別相談会に加えて,ポスターセッションの時間も設けられており,研究成果の実用化に向けて,参加企業や関係者と積極的な意見交換が行われました。

 秋廣助教は,平成24年度のJST復興促進プログラム(マッチング促進)可能性試験にも採択され(採択課題名:セシウムを吸収しない安心・安全なイネの開発),福島県の公設試験場や農業協同組合と連携して,栽培実験の準備を進めています。詳細は,産学連携センター(担当:丹生准教授)までお問い合わせください。

 島根大学では,研究成果を何に利用できそうかという視点で,産業界の方々に,研究内容をわかりやすく紹介する目的で研究シーズ集を作成しています。今回の発表シーズと合わせてご覧ください。

日時   平成25年2月18日(月)9:45〜17:20
会場   JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)
主催   (独)科学技術振興機構
後援   (独)中小企業基盤整備機構,全国イノベーション推進機関ネットワーク
 

島根大学からの発表

生物生産

(11:30〜11:45)

「放射性セシウムを吸収しない作物や野菜の研究・開発」

研究責任者

生物資源科学部生物科学科 秋廣高志 助教

研究シーズ

コーディネータ

産学連携センター 丹生晃隆准教授

新技術の概要

放射性セシウムを吸収しない作物を作出するために,セシウム輸送に中心的な働きをする輸送体の探索を行った。イネの輸送体タンパク質(約1500種類)を発現する酵母タンパク質発現系を用いたスクリーニングを行い,17種類のセシウム輸送体候補タンパク質の単離・同定に成功した。この輸送体を欠損した作物はセシウムを吸収できないものと考えられることから,これらの遺伝子を欠損したイネを入手しその解析を行っている。
【従来技術・競合技術との比較】

セシウムの吸収メカニズムは未だ不明な点が多く,汚染土壌では作物を栽培しないことが最良の方法であると考えられている。しかし,それだけでは風評被害を無くすことはできず,農業復興の妨げとなっている。

【新技術の特徴】
セシウムの輸送体を特定できれば吸収しない作物だけでなく,高吸収する環境浄化植物を作ることもできる。
セシウム輸送体を特定することでセシウムを吸収しない栽培技術の開発にも応用できる
【想定される用途】
セシウムを吸収しないイネの作出に向けたDNA育種マーカーの提供が可能となる。イネで明らかになった輸送体タンパク質の情報を用いて,大豆や果樹におけるセシウム吸収機構の解明およびセシウムを吸収しない新品種の育成が可能となる。

お問合先

  ・島根大学の発表シーズについて
   

島根大学産学連携センター連携企画推進部門(担当:丹生)

TEL:0852−60−2290 

E-mail:crcenter@ipc.shimane-u.ac.jp

URL:http://www.crc.shimane-u.ac.jp/

  ・JST推薦シーズ新技術説明会について
   

(独)科学技術振興機構 産学連携グループ

TEL:03-5214-7519

E-mail:scett@jst.go.jp

URL:http://jstshingi.jp/jstseeds1/2012/