「山陰(鳥取・島根)発 新技術説明会」
  New Technology Presentation Meetings!

島根大学産学連携センター  


 平成22年7月16日(金)に,科学技術振興機構JSTホール(東京・市ヶ谷)において,今回で4回目となる「山陰(鳥取・島根)発 新技術説明会」を開催しました。
 今回は,材料/ものづくり,環境,食品/バイオ,医療/健康,以上の4テーマについて,島根大学,鳥取大学,島根県産業技術センター,鳥取県産業技術センターの技術シーズ計9件が紹介され,産業界の方々を中心に約80名の参加があり盛況でした。
 島根大学の柴田 均 副学長の開会の挨拶で始まり,梶川靖友教授が「プラスチック上にも形成できる高移動度p型半導体多結晶薄膜」の技術シーズについて紹介しました。続いて,北川裕之准教授が「透明導電薄膜や熱電変換材料への応用を目指したホウ素ドープ二酸化チタンの開発」について,清家泰准教授が「色の長さで測る環境水中栄養塩(N,P)の簡便現場定量技術」について紹介しました。

会場の様子

 各シーズに関心を示す企業も多く,発表終了後には展示ブースで補足説明を行った後,個別相談も行われました。今後,具体的な連携につながっていくことが期待されます。

展示ブースの様子

展示ブースの様子

写真右から: 写真右から:
 総合理工学部 久保衆伍 教授(前 産学連携センター長)  産学連携センター 丹生晃隆 講師
 産学連携センター 北村寿宏 教授  総合理工学部 清家 泰 准教授
 総合理工学部 北川裕之 准教授

 山陰(鳥取・島根)発新技術説明会については,JSTのホームページもご覧ください。

【昨年度の開催内容はこちらをご覧ください】


日時・会場

日 時 平成22年7月16日(金)10:30〜16:30
会 場 科学技術振興機構JSTホール(東京・市ヶ谷)

主催・後援

主 催 鳥取大学,島根大学,
    鳥取県産業技術センター,島根県産業技術センター,
独立行政法人科学技術振興機構
後 援 鳥取県,島根県,財団法人鳥取県産業振興機構,財団法人しまね産業振興財団,
株式会社山陰合同銀行,株式会社鳥取銀行,株式会社島根銀行,
中国地域産学官連携コンソーシアム,独立行政法人中小企業基盤整備機構

島根大学の技術シーズ発表

時 間

内  容

10:40〜11:10
材料/ものづくり
「プラスチック上にも形成できる高移動度p型半導体多結晶薄膜」
   総合理工学部 電子制御システム工学科 梶川靖友 教授

新技術の概要

 300℃以下の温度で堆積できるp型化合物半導体混晶薄膜を開発した。多結晶薄膜でありながら,正孔移動度が高いので,以前開発した300℃以下の温度で堆積できるn型化合物半導体混晶薄膜と組み合わせて様々な応用が期待できる。
【従来技術・競合技術との比較】
 従来,高い正孔移動度をもつp型半導体多結晶膜としてはGaSbが知られていたが,400℃程度以上の基板温度でないと形成できなかった。今回、GaAsとの混晶とすること,300℃以下でも形成可能になり,プラスチック上にも高い正孔移動度を持つp型多結晶薄膜が形成できるようになった。
【新技術の特徴】
300℃以下でも堆積できるp型半導体多結晶薄膜
正孔移動度は約40cu/Vsと,n型ZnO多結晶薄膜中の電子移動度に匹敵するほど高い。
表面平坦性に優れる。
【想定される用途】
p型薄膜トランジスタ
p/n接合型薄膜トランジスタ
ヘテロ接合バイポーラトランジスタのp型外部ベース層

11:10〜11:40
材料/ものづくり
「透明導電薄膜や熱電変換材料への応用を目指したホウ素ドープ二酸化チタンの開発」
   総合理工学部 物質科学科 北川裕之 准教授

新技術の概要

 二酸化チタンは純粋な結晶は絶縁体ですが,適正不純物をドープするあるいは酸素が欠損すると,半導体から金属的な導電性を示します。本研究では、ホウ素ドーピングによる二酸化チタンの電気伝導制御技術を開発しました。
【従来技術・競合技術との比較】
 二酸化チタンに伝導性を持たせるためには,ニオブをドーピングする方法,酸素欠損を導入する方法が用いられてきました。ホウ素ドーピングによる伝導制御はこれまでに試みられていない新しい手法です。
【新技術の特徴】
チタン酸化物へのホウ素ドーピングによる伝導制御
簡便かつ短時間の材料製造プロセス
スパッタターゲットへの応用が可能
【想定される用途】
透明導電薄膜
熱電変換材料

13:20〜13:50
 環    境 
「色の長さで測る環境水中栄養塩(N,P)の簡便現場定量技術」
   総合理工学部 物質科学科 清家 泰 准教授

新技術の概要

 湖沼の富栄養化による水質汚濁の原因物質として広く認識されている栄養塩(N,P)の濃度を現場で簡便に測定するための簡易定量法及び簡易定量測定具を提示する。
【従来技術・競合技術との比較】
 従来技術・競合技術としては,「パックテスト」があるが,この技術は,発色液の濃淡を目視で判定するため個人差によるバラツキを生じ易い欠点を有する。ここに提示の新技術は,カラムの発色層の長さで判定するため,バラツキの小さい,より高精度な定量が可能である。
【新技術の特徴】
現場で測定可能なため,目的物質の形態変化を考慮しなくて良い。
カラムに吸着した発色層の長さに基づいて濃度を決定。
吸光光度定量に近い精度を有するので低濃度試料の定量が可能。
【想定される用途】
環境教育用教材
一般市民による水質調査
専門家による水質測定にも利用可能


お問合せ先

島根大学産学連携センター連携企画推進部門(担当:丹生)
〒690-0816 松江市北陵町2
TEL:0852−60−2290 
E-mail:crcenter@ipc.shimane-u.ac.jp
URL:http://www.crc.shimane-u.ac.jp/