島根大学産学連携センター
Collaboration Center,Shimane University

第6回中国地域産学官コラボレーション会議における「産学官連携功労者表彰」を受賞

 医学部附属病院 花田英輔助教授が,第6回中国地域産学官コラボレーション会議における「産学官連携功労者表彰」を受賞しました。
 この表彰は,産学連携活動において大きな成果を収め,また,先導的な取組を行う等,当該活動の推進に多大な貢献をした事例,もしくは将来期待できる事例に関し,その功績を顕彰するものです。
 第5回では,産学連携センター 北村寿宏教授が受賞しています。

 

受賞式の模様(平成18年6月19日)


事例名
多目的双方向型通信システムの開発


 機関及び連携機関  功労者

島根大学医学部附属病院 医療情報部

島根大学医学部附属病院医療情報部 花田英輔 助教授

山陰電工株式会社

山陰電工株式会社 森山健治 前会長

株式会社ワコムアイティ

山陰電工株式会社 宮本 守 専務取締役

有限会社小村産業    

出雲市産業振興部産業誘致課    

 事例の概要

 
 
花田助教授が長期入院中の小児患者に少しでも教室と同じ感覚を提供できるよう,双方向通信システムを考案。同システムは学校側・病院側の2端末からなり,学校側のカメラ,ディスプレイの方向,カメラのズーム,挙手代わりのランプ点灯を病院側で制御可能。

産学官連携により,山陰電工株式会社が中心となって取掛りからわずか6ヶ月で試作品を作成し実験開始。

 
板書を代行するシステムとして手書き型共通書込みシステムと,遠隔印刷機能を追加。これにより講義型の授業参加はほぼ可能に。

 
大学病院の院内学級と近隣の小学校等を結んだ実験により,機能確認。(この他の数回の公開実験はすべて成功。)

 
事業展開に向け,出雲市及び地域総合整備財団からの補助金を獲得。また連携機関による新連携体構築に向け経済産業省の補助金をも獲得。

その後展示会等へ出品し意見を聴取,より多目的に利用可能であることを確認。

本システムの入院児童教育以外の主な用途は以下の通り。

  (1) 入居高齢者の仮想的な外出や帰宅
  (2) 重篤な障害児教育における登校や訪問の代行
  (3) 学外における実習教育の際の遠隔からの監視や議論
  (4) 独居高齢者の情報交換や過疎地域における買い物代行

 
 
島根大学が文部科学省から認定を受けた地域医療人育成事業の3つの柱の1つをなす地域実習の遠隔監視用として採用(3年間で5〜6セット)。

そのほか,医療機関や教育機関からの問い合わせ多数。

テレビ,新聞等からの取材も数多く,期待の高いシステムである。
(特筆すべき事項)
  • 開発に参加したすべての機関・企業が島根県東部(出雲市および松江市)の企業であり,地域産業の発展に貢献
  • 出雲市および出雲市教育委員会も開発に参加協力した産・学・官がそろった開発

 具体的成果等
  1.技術への貢献
   具体的事例
     ◎特許:映像通信システム(公開済) 特開2005-278147
     ◎査読付論文等:
 
  • Hanada E., Miyamoto M., Moriyama K. Virtual Schooling System for Hospitalized Children. CME2005 (The First International Conference on Complex Medical Engineering) OS5, 371-376, 2005

  • 花田英輔,中村守彦,森山健治,宮本 守,鳥屋尾昌裕 院内学級向けエージェント型学校参加システム 情報処理学会論文誌 Vol.46(5), 1197-1206, 2005

  2.市場への貢献
   ◎具体的事例
 
  • 山陰電工株式会社が商品名「ミュー太」(商標登録申請中)として,平成17年度から販売開始。売上実績:平成17年度1,220万円(島根大学医学部が医療実習遠隔指導システムとして2セットを導入,平成18年度以降も購入予定。)
  3.社会への貢献
   ◎具体的事例
 
  • 山陰電工株式会社への出雲市及び地域総合整備財団からの助成金獲得など,制度を活用した地元企業への資金援助を獲得した。

  • 山陰初の新連携体構築に向けた経済産業省からの補助金を受けるなど,地域産業の振興に役立っている。

  4.連携体制の特長・波及効果
   ◎連携の概要とその特長
 
  • 産官学が揃い,かつそれぞれの役割を十分に果たしている。

  • 島根県において開発された新しい技術製品である。

   ◎候補者の主な役割
 
  • システムの発想者及び開発推進の中心であり,技術のみならず用途の考案や製品化に至るまでを統括し指揮している。
   ◎連携体制によってもたらされたあるいは期待される具体的な効果
 
  • 高齢化・過疎化が進む山陰地域のIT化と活性化に大いに役立つ。

  • 高齢者施設のIT化によるサービス向上の実現が期待される。

  • 障害児教育や入院児童の教育,さらには不登校児に対して学習意欲・登校意欲をもたらす効果が期待されている。


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