下水汚泥をはじめとした各種有機質汚泥の処理方法は,コスト重視で分解率の高い処理技術が多い。東日本大震災で,被災地の多くの排水処理施設が損壊・電源供給停止により,汚泥の処理が出来ない問題が生じた。それ以降,災害によるトラブル時にも強い処理技術が求められてきた。災害に強くかつ安価な処理技術として,木質チップを充填した槽に汚泥を投入・撹拌し分解することで減量化する方法(株式会社アクアプロジェクト開発)がある。
この技術は,週1〜2度の汚泥ポンプ輸送と表層の撹拌以外にエネルギーを使わない。また付帯設備がほとんど必要ないため,施設面積や初期コストを抑える事ができる。また,処理機構が単純な故,科学的な研究がなされてきておらず技術として改善の余地がある。
そこで,処理技術の機能向上・運転条件最適化をめざし,汚泥処理に関わる基本的ないくつかの装置(運転)条件と汚泥分解率の変化を調べ,装置と運転条件の改善方法の検討を行っている。
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