最近の消費者のニーズとして,高機能性食品が求められている。ブドウに含まれる機能性成分として,アントシアニンやレスベラトロールが挙げられる。
そこで,多様なブドウ品種を用いて果皮のレスベラトロール含量を測定したところ,品種によって差が見られた。その中から,レスベラトロール高含有の品種と食味が良好な品種を親として交配試験を行った。得られた実生個体から,高含有の系統選抜に取り組んでいる。
一方で,生育環境が制御可能なブドウ培養細胞をモデルとし,外的環境の違いによる機能性成分の蓄積機構を明らかにする研究にも取り組んでいる。得た結果を,アントシアニンやレスベラトロールを多く含むブドウ果実の生産技術に結び付けることを目指している。
ブドウの機能性成分に関する基礎的研究を進めることで,高い機能性をもつブドウの育種や栽培技術の開発・確立が期待される。 |