山陰(鳥取・島根)発 新技術説明会
  New Technology Presentation Meetings!

島根大学産学連携センター

発表の様子

 7月7日(火)に,科学技術振興機構(JST)東京本部において,「山陰(鳥取・島根)発 新技術説明会」が開催されました。新技術説明会は,大学や公設試験研究機関等から生まれた研究成果の実用化を促進するために開催されるJSTの事業であり,山陰地域では,2007年度から,大学や公設試験研究機関が連携して開催しています。

 今回は,島根大学,鳥取大学,島根県産業技術センター,鳥取県産業技術センター,鳥取県衛生環境研究所,鳥取県 県土整備部技術企画課から生まれた計8件の新技術の発表が行われました。

 本学からは,総合理工学研究科の横田正幸 教授による「ディジタルホログラフィによる乾燥・硬化過程の解析」,総合理工学研究科の笹井亮 准教授による「環境水中から選択的にヨウ素含有陰イオンを捕集できる素材の開発」の計2件の新技術の発表が行われました。

秋重幸邦
理事(企画・学術研究担当)
・副学長による挨拶

パネル展示

 当日は,合計で115名の参加者が集まり,山陰発の新技術に熱心に耳を傾けられていました。また,各発表の終了後には,作成したパネルの前で名刺交換が行われ,民間企業等からの具体的な相談について,担当コーディネータも交えた協議が行われました。

 山陰(鳥取・島根)発 新技術説明会では,2007年度の第1回から昨年度開催までに,本学から計28件の新技術が発表されました。このうち,新技術説明会での発表がきっかけとなり,共同研究契約や実施許諾契約等の具体的な連携に繋がったものは計9件あります。今回発表された新技術2件についても,具体的な連携につながるように,産学連携センターとして積極的にサポートをしていく予定です。

   日時    会場
 平成27年7月7日(火)11:00〜15:55  JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
 主催  後援

 国立研究開発法人科学技術振興機構,

 国立大学法人鳥取大学,国立大学法人島根大学,

 地方独立行政法人鳥取県産業技術センター,

 島根県産業技術センター

 鳥取県,島根県,公益財団法人鳥取県産業振興機構,

 公益財団法人しまね産業振興財団,

 独立行政法人中小企業基盤整備機構,

 全国イノベーション推進機関ネットワーク

 協力  
 中国地域産学官連携コンソーシアム  
   お問合先

 島根大学の発表については産学連携センター連携企画推進部門(担当:丹生)にお問い合わせください

 〒690-0816 松江市北陵町2  TEL:0852-60-2290

 E-mail:crcenter@ipc.shimane-u.ac.jp  URL:http://www.crc.shimane-u.ac.jp/

 島根大学の技術シーズ発表

計測

ディジタルホログラフィによる乾燥・硬化過程の解析   

(14:00〜14:25)

 島根大学 大学院総合理工学研究科 機械・電気電子工学領域 横田正幸 教授


新技術の概要


ディジタルホログラフィを用いた塗料、インク、接着剤等の乾燥・硬化の可視化、さらに定量的に解析する技術です。顕微鏡光学系を用いると100μm以下のドットに対する乾燥過程の評価も可能になります。

【従来技術・競合技術との比較】

スペックル法では可視化が困難でクリア塗料には不向きです。それ以外の方法に対しても可視化と定量的な乾燥・硬化が同時に解析できる技術は見当たりません。

【新技術の特徴】

乾燥・硬化過程の可視化と定量的解析
乾燥度の数値化
揮発溶剤の密度推定
【想定される用途】
自動車業界等の塗装工程における乾燥時間評価

 
プリンタブルエレクトロニクス(インクジェット法による塗布型半導体製造)のインク乾燥解析
レーザープリンタのトナーの溶解温度付近の挙動解析
環境
環境水中から選択的にヨウ素含有陰イオンを捕集できる素材の開発  

(15:00〜15:25)

 島根大学 大学院総合理工学研究科 物理・材料科学領域 笹井 亮 准教授

新技術の概要


本研究で開発した素材は、原発の廃炉等で問題となるヨウ素含有陰イオン(ヨウ化物イオンやヨウ素酸イオン)を海水などの環境水中から選択性に回収できると共に、それ自身が比較的高い放射線遮蔽能を有する層状複水酸化物である。

【従来技術・競合技術との比較】

セリア系の吸着剤がヨウ化物やヨウ素酸イオンの回収素材として検討されているが、選択性、吸着能力およびコストの点でベストとはいえないが、本研究で開発している素材は選択性と吸着能力において既存の素材を凌駕できる。

【新技術の特徴】

 
金属組成の調整により様々な陰イオンに対する選択性を制御できる。


 
放射性ヨウ素などのような弱い放射線であれば十分に遮蔽できる。

 
環境水に含まれる他の共存陰イオンの影響を低減できる
【想定される用途】
原発廃炉時の排水処理
産業排水の処理
水族館や内地海水養殖における水質浄化