山陰(鳥取・島根)発 新技術説明会
  New Technology Presentation Meetings!
ライフサイエンス・材料分野

島根大学産学連携センター

材 料

アグリ

環 境
アグリ

バイオ
医 療

バイオ

発表の様子

 7月4日(金)に,大阪商工会議所において,「山陰(鳥取・島根)発 新技術説明会」を開催しました。新技術説明会は,大学や公設試験研究機関等から生まれた研究成果の実用化を促進するために開催されるJSTの事業であり,山陰地域の大学,公設試験研究機関が連携して開催するのは,今年度で8回目となります。

 昨年に続いて今回も大阪で開催し,ライフサイエンス・材料をテーマに,島根大学,鳥取大学,島根県産業技術センター,鳥取県産業技術センター,鳥取県衛生環境研究所から生まれた計11件の新技術の発表が行われました。

 本学からは,総合理工学研究科の舩木修平 助教による「銅酸化物系高温超電導膜の低温かつ簡易的な作製方法」,生物資源科学部の上野誠 准教授による「光照射による植物病害の防除法の開発」,生物資源科学部の足立文彦 助教による「共生微生物を利用した高い生産能力を持つサツマイモ種苗生産方法」,医学部の今出真司 助教による「宮大工の概念をハイテク技術で具現化した骨折手術支援システム」の計4件の新技術の発表が行われました。

竹内 潤 理事(学術・国際担当)
・副学長による挨拶

 当日は,118名の参加者が集まり,山陰発の新技術に熱心に耳を傾けられていました。また,各発表の終了後には,名刺交換が行われ,民間企業等からの具体的な相談について,担当コーディネータも交えた協議が行われました。

 産学連携センターでは,今後,今回のような発表機会を通じて,本学の研究成果の情報発信をして参ります。なお,来年度の「山陰(鳥取・島根)発 新技術説明会」は東京で開催する予定です。

 

日時

  平成26年7月4日(金)10:00〜17:00

会場

  大阪商工会議所4階401号会議室(大阪市中央区本町橋2番8号)

主催

  国立大学法人鳥取大学,国立大学法人島根大学,
地方独立行政法人鳥取県産業技術センター,島根県産業技術センター,
鳥取県衛生環境研究所,独立行政法人科学技術振興機構

共催

  大阪商工会議所,中国地域産学官連携コンソーシアム

後援

  鳥取県,島根県,公益財団法人鳥取県産業振興機構,
公益財団法人しまね産業振興財団,
独立行政法人中小企業基盤整備機構,
  全国イノベーション推進機関ネットワーク

お問合先

  島根大学の発表については産学連携センター連携企画推進部門(担当:丹生)にお問い合わせください
   
〒690-0816 松江市北陵町2  TEL:0852-60-2290
E-mail:crcenter@ipc.shimane-u.ac.jp  URL:http://www.crc.shimane-u.ac.jp/
     

島根大学の技術シーズ発表

材 料

銅酸化物系高温超伝導膜の低温かつ簡易的な作製方法

研究シーズ

 島根大学大学院 総合理工学研究科 物理・材料科学領域 舩木修平 助教


新技術の概要


溶融させた水酸化にREとBaとCuから成る原料を溶解させることで、1気圧の還元雰囲気中において500〜700℃の低温下で、基板上に銅酸化物高温超伝導膜を成長させることを特徴とする結晶膜作製方法

【従来技術・競合技術との比較】

従来の作製方法では、900℃程度の高温かつ高真空環境が必要であったが、本方法では特殊な装置を用いることなく、従来に比して350℃以上低い温度で“高品質”な膜を“高速”で成膜可能となる

【新技術の特徴】
溶融水酸化物を用いることで低温で物質を反応させ、目的の結晶を得ることが可能
結晶を成長させる基材の表面を修飾することで、目的の物質をエピタキシャル成長させることが可能
溶液からの液相成長による、結晶の高速成長が可能
【想定される用途】
超伝導ケーブルなど、高性能な配向膜の性質を利用した線材作製、及びその接合
周波数選択性を高め損失を極めて低減化可能な超伝導フィルタ
電気抵抗ゼロ、ジョセフソン効果などを利用した物性評価装置
【関連情報】
水酸化物に溶融する材料であれば、低温で結晶成長させるなどの試作が可能
アグリ

環 境
光照射による植物病害の防除法の開発

研究シーズ

 島根大学 生物資源科学部 農林生産学科 上野 誠 准教授


新技術の概要


キュウリやメロンなどの植物にLEDやHEFLを光源とした赤外光を照射することにより、うどんこ病を防除できることを明らかにした。光を照射することによる植物病害の防除は、農薬の使用や農薬耐性菌の出現を減らすことに繋がる。

【従来技術・競合技術との比較】

緑色光や紫外光を植物に照射することにより、植物の病害が防除されることは従来から報告されていた。本技術は、これらの波長とは異なる赤外光を照射することによる植物の病害の防除法であり、新たな病害防除技術として利用できる可能性を持っている。

【新技術の特徴】 【想定される用途】 【J-STORE掲載特許情報】
農薬の使用を減らした病害防除が可能
板農薬耐性菌の出現を減らすことに繋がる
農作業時間を軽減できる
ハウス栽培・苗生産における病害防除
病害防除用の光源(LED、HEFL等)
光照射用の装置、機器
青果栽培方法
2013-230122
   
アグリ

バイオ
共生微生物を利用した高い生産能力を持つサツマイモ種苗生産方法

研究シーズ

 島根大学 生物資源科学部 農林生産学科 足立文彦 助教


新技術の概要


サツマイモ育苗時に特殊な栄養繁殖技術を用いることで、有用な共生微生物を効率的にサツマイモ苗に取り込ませる方法を開発した。微生物の生物的窒素固定によりサツマイモ苗は貧栄養土壌でも高い生産性を誇る。

【従来技術・競合技術との比較】

煩雑な有望菌の単離と培養が必要でない。単体では高い機能性が発揮できない細菌が報告されているが、相性のよい一般細菌と共存させて植物体に取り込むことが可能であり、実用性が高い。

【新技術の特徴】 【想定される用途】
窒素肥料が削減できる
成長のよい種苗が生産できる
他の栄養繁殖作物に応用できる可能性がある
サツマイモ種苗生産(とくに種芋生産)
良食味な観賞用サツマイモの育成
有用共生微生物の選抜・養殖・貯蔵
医 療

バイオ
宮大工の概念をハイテク技術で具現化した骨折手術支援システム

研究シーズ

 島根大学 医学部 整形外科 今出真司 助教


新技術の概要


手術室という特殊環境下に対応した3次元精密加工機を使用し、手作業では困難な精度の形成を骨や人工骨といった医療資源に施す手術支援システムを構築した。宮大工が木組みで神社仏閣を造るように、骨で骨折を治すことを目指す。

【従来技術・競合技術との比較】

従来にない医療現場で使用できる3D加工機システムである。信頼性が高いナノ社製の精密加工機を応用する。本技術は人工骨加工にも応用でき、人工関節手術や骨欠損部補填など用途多彩である。実用化に向けて関連企業との連携を希望する。

【新技術の特徴】 【想定される用途】
手術室という特殊な清潔環境下で使用可能
精度は±5μmで、独自の高い技術を提供
プログラミングなど特殊技術は不要
・テーラーメードの骨折治療(骨移植)
・精度の高い人工関節手術の支援
・変形した小骨片に対応可能な関節内骨折治療
【関連情報】
サンプルの提供可能
骨ネジ、人工骨ネジ、3D加工骨