島根大学産学連携センター
Collaboration Center,Shimane University

イノベーション・ジャパン2011−大学見本市


 

 平成23年9月21日(水)〜9月22日(木)に,大学と産業界が持つ技術シーズとニーズの発見・出会いを目的とした国内最大級のマッチングイベントである「イノベーション・ジャパン2011−大学見本市」が,東京国際フォーラム(東京・有楽町)で開催されました。

 今年は,情報通信,ライフサイエンス,医療,装置・デバイス,ナノテクノロジー,環境保全・浄化,低炭素・エネルギー,マテリアル・リサイクル,シニアライフ(高齢社会),防災の計10分野から200を超える大学研究最先端シーズが展示説明され,各大学の研究シーズや産学連携への取り組みの一端を感じることができました。

 島根大学からは,医学部附属病院の花田英輔准教授が「看護業務軽減と医療安全向上に向けた混注確認支援システム」について, 総合理工学部物質科学科の笹井亮准教授が「高感度芳香族系VOCs検知用固体色材の研究開発」について研究シーズを紹介しました。企業の方を中心に多くの関係者の方に興味を持っていただけ,PRできました。

 他に島根大学からは,産学連携センターの阿久戸敬治教授,北村寿宏教授,中村守彦教授,丹生晃隆講師,小金民造客員教授が参加しました。

 「イノベーション・ジャパン2011−大学見本市」の詳細はこちらをご覧ください。

【日 時】 平成23年9月21日(水) 9:30〜17:30
平成23年9月22日(木)10:00〜17:00
【会 場】 東京国際フォーラム(東京・有楽町)
【主 催】 (独)科学技術振興機構,(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構
【島根大学からの出展】

i医療ゾーン

 医学部附属病院 医療情報部 花田英輔 准教授

研究シーズ:「看護業務軽減と医療安全向上に向けた混注確認支援システム」

http://www.jst.go.jp/tt/fair/ij2011/exhibitor_detail/en10122.html

技術の概要

これまでに無い注射薬の混合(混注)作業を支援するシステムです。大規模病院の病棟では,多数の混注を間違いなく実施するために煩雑な作業を行わなければならず,間違い防止や作業軽減を目的に,支援システムが切望されていました。
施用単位で病院情報システムから情報を抽出し,使用薬名を文字や音声で提示し確認を支援できます。試作機の開発に成功したものの,実用化に向けて改善が必要であり,マッチングを望んでいます。

技術の特徴

処方内容は施用単位で病院情報システムから抽出し,使用薬名を文字や音声で提示し確認を支援可能としました。注射薬の確認は目視もしくはバーコード認識で行います。変更情報や混注時間制限も確認可能です。

企業に期待するもの

システム単独では商品化困難なため,病院情報システムとの連携を図りたい。また,使用感や必要な機能についての情報収集を行いたい。

産業界へのアピールポイント

既存の注射薬確認システムはいくつかありますが,すべて薬局内もしくは患者への投与直前に実施するためのものであり,これまでに病棟ステーション等で看護師を支援する目的の確認支援システムは存在しません。

想定される用途

注射オーダーシステムが導入済の病院等における病棟や集中型注射室等。

新技術に関する知的財産権 

発明の名称:混注作業支援装置

出願日:2010年10月29日

出願人:山陰制御有限会社

出願番号:特願2010-244372

発明者:花田英輔,畑 広史

右:花田英輔 准教授,中央:山陰制御(有)畑 広史 社長
左:産学連携センター 中村守彦 教授
 

ナノテクノロジーゾーン

 総合理工学部 物質科学科 笹井 亮 准教授

研究シーズ:「高感度芳香族系VOCs検知用固体色材の研究開発」

http://www.jst.go.jp/tt/fair/ij2011/exhibitor_detail/en10057.html

技術の概要

私たちは,芳香族系VOCsを高感度かつ迅速に検知できる材料として,イオン交換性層状無機化合物の層間に芳香族系VOCを速やかに吸着する界面活性剤を用いた部位と分子の吸着を光吸収や発光変化により知らせる色素からなる部位を共存させた固体材料を創製してきました。また,この材料は安価かつ安全であること,作製も水系でそれぞれの原料を混ぜるだけと簡単なことから資源的にも経済的にも優位である。

技術の特徴

本材料は,層状物質の層間を各種界面活性剤と発光色素で修飾することで,目的とする芳香族化合物を選択的に吸着・検知できます。また,層間へ導入できる化合物は多種多様ですので,他の分子検知用へも改良可能です。

企業に期待するもの

我々が開発した素材のデバイス化や,この素材を組み込んだ新しいシステムの研究開発を共同で行ってくださることを期待します。

産業界へのアピールポイント

本材料は半導体センサーが不得意とした分野を網羅できるため,新しい市場創成の可能性も高いと思います。膜化・モジュール化法の確立はは必要ですが,製造も粉末であれば,液相で混合・濾過のみです。

想定される用途

高感度排ガスセンサー,オンサイトガス検知デバイス

関係する助成制度(採択済み)

村田学術振興財団第26回研究助成

サンプル提供:可(要相談)

ホームページ

http://www.phys.shimane-u.ac.jp/ryo_lab/index.html

左:笹井 亮 准教授,右:総合理工学部 4年生 亀山幸男さん

左:笹井 亮 准教授,右:産学連携センター 北村寿宏 教授