平成22年11月29日(月)に,松江テルサにおいて,中小企業応援センター((財)ちゅうごく産業創造センター,(株)広島銀行,(財)中国地域ニュービジネス協議会)主催,当センターの後援で「植物工場事業化検討セミナー〜機能性野菜生産の事業化(第1回)」が開催されました。
このセミナーでは,島根大学医学部附属病院臨床栄養部の川口美喜子 栄養士長が「カリウム制限における食事について」をテーマに,続いて,生物資源科学部農業生産学科の浅尾俊樹教授が「植物工場における低カリウムメロン生産の試み」について講演されました。
パネルディスカッションでは,(株)農援隊 小豆澤斉 代表取締役社長,(株)ワコムアイティ 今岡克己 代表取締役,(株)矢野経済研究所自動車&インダストリーテクノロジー事業部 杉本武巳 事業部長を交え,「機能性野菜の栽培の実現化について」をテーマに,議論が行われました。
会場から,「低カリウムメロンは,腎不全患者さん向けの食品の一つとして,現場のニーズがあることが分かった」,「養液栽培ができるような設備が必要なのか,具体的な栽培方法を教えて欲しい」等のコメントや質問も寄せられました。
また,「植物工場を活用すれば,低カリウム化以外にも,他の栄養分を強化したような作物ができるのではないか」,「どのような作物を実際に栽培できそうか」等,将来の植物工場事業に対する期待も寄せられました。
最後に,浅尾教授からは,低カリウムメロン生産に向けて,共同研究等を通じて一緒に実用化を担えるような企業を探していること,生産や販売等,複数の企業も含めたコンソーシアム設立の計画があることが発表されました。
低カリウムメロンは,植物工場等を活用した機能性食品の一つであり,今後も本学の「植物工場支援・研究施設」における研究や栽培試験を通じて,新たな機能性食品の開発が期待されます。
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