「第4回産学官情報交換会(テーマ:ゼオライト応用)」

島根大学産学連携センター  



 平成21年10月2日(金)に,本学において,「第4回産学官情報交換会」を開催しました。本事業は,財団法人しまね産業振興財団との共催で開催し,大学の研究シーズを広く地元産業界に知ってもらうための「出会いの場」として開催するものです。
 第4回となる今回は,県内の貴重な鉱物資源でもあるゼオライトをテーマに行われました。
 研究・技術シーズ発表として,総合理工学部・地球資源環境学科の赤坂正秀教授,生物資源科学部・生態環境科学科の相ア守弘教授が,最新の研究成果の紹介を行いました。

 赤坂教授は,出雲市平田地区で産出されるゼオライトや大田市で産出されるフェリエライト等,県内の未利用ゼオライトを紹介し,今後のさらなる活用可能性について言及しました。
 相崎教授は,生活排水中の高度処理の方法として「ゼオライト水耕法」の説明を行い,栄養塩を回収したゼオライトを園芸資材として活用する方法を紹介しました。

赤坂 正秀 教授

相ア 守弘 教授

 当日は,70名超の参加者が集まり,「ゼオライトの現在の産出量はどれくらいか,埋蔵量はどれくらいあるのか?」,「島根県産のゼオライトに他県産にない特徴はあるのか?」,「農業や畜産用途以外にどのような活用が考えられるのか」等々,活発な質疑応答,意見交換が行われました。
 研究・技術シーズ発表に続いて,カナツ技研工業株式会社による実際の住環境保全商品の開発事例や,島根県産業技術センターの田島・環境技術グループ科長によるゼオライト活用事例の紹介も行われ,ゼオライト応用の今後の可能性と展開について理解を深めました。
 参加者からは,「県内資源としてゼオライトの重要性が分かった」,「ゼオライトを活用した商品開発を検討したい」との声も聞かれ,終了後の懇親会でも活発な情報交換が行われました。産学連携センターでは,今後も地元産業界のニーズを踏まえながら,積極的に研究シーズ発表や技術交流の機会を設けていきたいと考えております。


【日時・会場】 平成21年10月 2日(金)
会議 : 島根大学 大学会館2階集会室(松江キャンパス) 15時30分〜17時50分
交流会 : 生協第2食堂1階 18時〜19時
【 会議内容 】 (1)研究・技術シーズ発表 , (2)産学官連携事例発表 , (3)意見交換
【専門分野・発表内容等】

  赤坂 正秀 教授
    (島根大学総合理工学部地球資源環境学科地球物質システム学講座)

 

専門分野:
 鉱物科学
研究テーマ:

造岩鉱物・資源鉱物の産状,化学組成,結晶構造,結晶化学,安定領域,成因の研究

意見交換会での発表内容:

 島根県には資源鉱物であるゼオライトが産出する。大田地域のモルデナイトは生産されているが,まだ利用されていないゼオライト,あるいは限られた用途にしか利用されていないゼオライトもある。その中で,大田市のフェリエライトと平田地域のゼオライトについて紹介。

  相ア 守弘 教授
    (島根大学生物資源学部生態環境科学科生態環境工学講座)

 

専門分野:
 水質管理,水質浄化
研究テーマ:

ゼオライト等を使った植生浄化,ヤマトシジミを通した物質循環,中海の水質改善,湖岸浄化機能解析など

意見交換会での発表内容:

 ゼオライトを基材として用いた水質浄化施設における,水質浄化能力とそのメカニズム,植栽植物の生育状況、水質浄化に使用した後のゼオライト(2Rゼオライト)の園芸,農業資材としての性能など,ゼオライトを潤滑剤として利用する栄養塩循環システムについて。



【問合せ先】 島根大学産学連携センター連携企画推進部門(担当:丹生)
 〒690-0816 松江市北陵町2
 TEL:0852-60-2290 
 E-mail:crcenter@ipc.shimane-u.ac.jp
 URL:http://www.crc.shimane-u.ac.jp/