島根大学 地域共同研究センター 「木の日フォーラム」の報告 |
題 目 | しまね木の日フォーラム'99 |
日 時 | 平成11年11月30日(火) 13:00〜16:40 |
場 所 | くにびきメッセ 601大会議室 |
内 容 | 【プログラム】 1.基調講演「世界の森で,住まいの中で木に会う」 蟹江 節子 (フリーランスライター) 2.パネルディスカッション「木と暮らし」 パネラー 堀江 洋伸 (指導林家) 安達 盛二 (円建創 代表取締役) 高田 立志 (木のかたりべ) 松本 さなえ (峯建築設計事務所) コーディネーター 中尾 哲也 (島根大学 教授) 3.研究成果発表会 「地域材を用いたハイブリッド技術によるLVL開発」 大畑 敬 (島根県立工業技術センター) |
【当日の模様と講演の概要】
当日は,教職員,学生,学外者など約80人の参加があり盛況でした.
1.基調講演「世界の森で,住まいの中で木に会う」 (蟹江 節子氏)
蟹江さんが世界各地で訪れられた木,特に,巨木と言われる木について,写真をまじえ,紹介された.
巨木としては,体積が一番のジャイアントセコイア(アメリカ),高さが一番のレッドウッド(アメリカ),寿命が一番のウイッスルコーンパインなどを紹介されると共に,レバノン,イギリス,マダガスカル,カナダなどの巨木についても紹介された.
蟹江さんによると,木の臭いが好き,木を見ると元気になる,森に行くと元気が出る,ということが,世界各地の木を訪れられる理由だそうです.そういわれてみると,子供の頃森で遊んだ記憶がよみがえり,近いうちに山歩きがしたくなってしまいました.
2.パネルディスカッション「木と暮らし」
様々な立場から,林業の抱える問題点(森林を整備できない,木を切り出せない,行政の問題)をふまえ,今後の林業,木材利用のあり方について議論された.
山林の保護や育成のためには,人材の確保や地域の協力だけでなく,行政の支援が必要であることが強調された.
また,木材の利用として,日本の住宅を見直すこと,在来工法広く知ってもらい,木を活かした家造りをしていくことが,これからの工務店の役割であることなどが述べられた.
通産省の支援プロジェクトである地域コンソーシアム事業(島根大学,港北ベニア,島根県の共同研究)での,研究成果について報告された.
地域材としてのスギの伐採可能料が増加することが予想されており,スギ材の利用方法として,合板化し,構造材に用いることを目的に研究開発が進められている.
木材を薄い単板に切り出し,これをグレーディングして,合板化すること(LVL化)で,従来材の欠点である性能のバラツキをなくし,構造材に用いることができる.
研究のポイントは,超音波を用いたグレーディングシステムの開発と目的強度にするためのグレーディング材の組み合わせシミュレーションシステムの開発にある.
今後の成果に期待したい.
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